【技術士度二次試験】地すべり対策工
II-1 -2 沖積低地に地上10階,地下1階の建築物を施工する際に,問題になりうる
地盤の現象を2つ以上挙げ,その概要を説明せよ。また,それらの現象から1つを選ひ問題を検討する際に必要となる,地盤の状態や物性等の情報と,その調査法について説明せよ。
1.問題になりうる地盤現象については
- ボイリング
- ヒービング
- 不同沈下
- 液状化
があげられる。
ボイリングは、根切り底面に砂質土がある場合、水圧によって砂が噴出する現象である。
ヒービングは、根切り底面に粘性土がある場合、水圧やすべりによって、底面が浮き上がる現象である。
不同沈下は、支持力不足や圧密沈下で建物が沈下する現象である。
液状化は、地震時に緩い砂層が噴出し、建物や外構地盤に変化を及ぼすものである。
2.ボイリング現象に対する地盤物性や調査法
ボイリング現象が発生するかどうかは、まず地盤情報を得るためのボーリング調査が必要となる。 ボーリングによって掘削底面に緩い砂層があり、地下水位が高い場合、砂層の透水係数を原位置試験で求めるとともに、土質試験により砂の粒度構成や密度などを求める。
ボイリング現象は施工中の止水壁沿いの動水勾配が大きくなると止水壁の長さを設計したり、場合によっては地盤改良を計画する。また緩い砂層は建物供用後の地震時に液状化する為、砂の液状化試験も行い、その結果から液状化対策を行うことも重要だ。